7月25号星期三(水曜日)あの頃イメージしていた中国の色

芥川龍之介と
中国は
なかなか無くてはならない
存在でして、
関連する作品も多いです。
まずは有名どころとして
「杜子春」ですね。
『聊斎志異』に取材した
「酒虫」なんかも
有名です。

わたくしは幼いころ読んだ
「アグニの神」が
もっとも衝撃的で、
暗くてセピアっぽい色調の
世界観が何ともいえず、
子供心にいかしているなと
思ったことを思い出します。

じつは
わたくしが中国に思っていた
第一印象はこの色調でして、
実際に中国に降り立った時の
色彩と同じではないことに
やや失望したり
いやいや、これが本来の色だ、
と思ったりしたものです。

「アグニの神」の舞台は
上海です。
租界の上海ということですね。
「アグニの神」の上海は
異国情緒とは違う
さまざまな文化のごちゃ混ぜな
雰囲気が漂っていまして、
インド人の占い者の婆さん、
戦争で儲けようとするアメリカ人、
行方不明になった
香港領事の娘を探す日本人、
そして、その領事の娘、妙子が
登場します。

婆さんは魔法使いでもあります。
なんとも怪しい雰囲気に包まれます。
占いは当時ご法度だったようで、
非合法に行っていましたから、
かなり妖しいところで商売を
していたはずです。

アメリカでは当時
世界旅行がブームだったようで、
財界人や映画俳優など、
必ず上海を訪れていたと言います。
完全な成金アメリカ人が
「アグニ」には登場しています。
そして、インドの神さまを
憑依させる媒体となる妙子嬢。

これでもか、と言わんばかりに
妖しいものをつぎこみます。

芥川は一九二一年に
大阪毎日新聞の視察員として
上海を訪れていました。
芥川の評は「下品な西洋」。
なかなか痛快な一言です。

「アグニの神」の発表はその前年です。
この時の上海視察で
妖しい上海を再認識したのでしょうか。
東洋にありながら西洋、
しかも「下品な」。
罵倒でもあるでしょうが、
夢と現実の間の様な世界を
言い表すのにちょうどよい賛辞にも
聞こえます。

わたくしは今なお、
この当時の色彩を
中国に探している気がします。
実際、ある場所にはあるんです。

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